2018年9月30日

Measurement

温度計測技術の開発

 燃焼過程を実験的に把握するうえで,正確に温度測定をすることは欠かせません.ところが,正確な温度測定は,言うほど簡単ではありません.例えば,よく知られた手法としては,熱電対を火炎場に挿入することが考えられますが,熱電対を挿入した時点で流れ場は歪曲し,元の現象を捉えているとは言えません.このようなプローブを挿入する温度計測手法を接触型といいます.それに対して,プローブを用いずに,高温気体中の散乱・蛍光・吸収光を計測することで温度を取得する手法を非接触型といいます.非接触型としては,レーザーを用いたCARSやLIFなどがあります.しかし,レーザーは一般に高価であり,光学系が複雑になってしまう欠点を併せ持っています.そこで,燃焼ガスの自発光そのものを計測し,温度に変換する手法の開発が行われてきました.当研究室では,ガス中の水蒸気から発せられる近赤外領域の波長を用いた温度計測手法の開発に挑んでいます.

ブンゼンバーナー火炎場(CH4/Air)に対して温度計測実施した例