2018年8月8日

RCM

小型急速圧縮機

予混合気の自発点火挙動を計測する手段として主なものは衝撃波管と急速圧縮機(下述)があります.衝撃波管は高温・高圧への移行時間が短く,高温領域での測定に適している反面,高圧場の保持時間が短いうえ,低温自着火の計測には適さない欠点を持っています.一方で,急速圧縮機はピストン圧縮後にピストン位置を保持することで,圧力をしばらく一定に保つことができます.しかし,従来の急速圧縮機は空気圧で駆動されるため,高圧までの到達時間が長く,エンジンの低回転領域しか再現できません.また,温度が高くなると点火遅れ時間が指数関数的に減少するため,測定可能範囲は点火遅れ時間が圧縮時間よりも十分長い低温~中温領域に限られます.

これまではこれら2つを目的の条件に応じて使い分けてきました.しかし,両者には実験機器セットアップの違いによる現象差が見られる場合があり,これらの間を測定する手段が求められるようになってきました.そこで,当研究室では液体加圧型急速圧縮機を開発しました.これは,小型の燃焼シリンジを液体中に配置し,液体ごと圧縮する方法です.これにより,超高圧を,非常に短い時間スケールで実現することが可能になりました.

現在,当研究室では液体加熱型急速圧縮機を用いて,急速圧縮機では測定されてこなかった高圧域での,各種燃料の自着火挙動の測定を行っています.具体的には冷炎や二段階燃焼などのノッキングに関わる現象を観察対象とし,数値解析結果との検証を行いながら,反応モデルの構築や計算精度の検証を進めています.

小型急速圧縮機

急速圧縮機

昨今,ガソリン機関の熱効率向上・排ガス低減を目的として,筒内直噴システムの開発・研究が自動車業界で進められています.筒内直噴方式とは,シリンダー内に設置されたインジェクタから圧縮空気に直接燃料を噴射する方式であり,これにより高出力・低燃費燃焼の実現が期待されています.当研究室では,急速圧縮機に対して筒内直噴システムおよび点火噴霧システムを導入し,成層燃焼場における点火挙動の計測を行っています.計測手法としては分光計測・レーザー計測をはじめとする様々な光学計測を適用し,同時に数値計算も行いながら直噴点火モデリングを進めています.

大型急速圧縮機

大型RCMの点火動画