今日用いられるガスタービンやディーゼルエンジンなどの内燃機関では、圧縮した空気に燃料を噴霧状に噴射して着火する噴霧燃焼が一般的に使われています。 内燃機関の効率向上のため、噴霧燃焼のメカニズムを解明することは非常に重要ですが、物質の流れ、噴霧内の液滴群の干渉、液滴径のばらつきなどにより現象を完全に解明することが非常に困難です。 そのため、噴霧の最小単位である液滴1つに着目して燃焼の基礎的な現象を解明するための実験が広く行われてきました。内燃機関内の燃料噴霧は30μmから80μm程度の浮力の影響を受けない程度の大きさであるため、実験においては1mm程度の径の液滴を微小重力下にて燃焼させることで模擬しています。微小重力下にて燃焼させることにより、密度差に起因する浮力、自然対流の影響を排除することができ、球対称の火炎が形成され、燃焼現象の基礎的なデータの取得が可能となります。